- ホーム
- 研究者リレーコラム&ロールモデル紹介
- ロールモデル紹介【歳月流るる如し】
秋田県総合食品研究センター醸造試験場 主席研究員 戸松 さやか
ロールモデル紹介【歳月流るる如し】
秋田県総合食品研究センター醸造試験場 主席研究員 戸松 さやか
●研究内容を教えてください●
当初は、ワインのボディに寄与するグリセロールを高生産する酵母の育種開発や、県産ヤマブドウ交配種の醸造特性の検討など果実酒に関する研究と技術支援に従事しました。その後、稲わらやスギなどのバイオマス資源からポリマー原料として期待されるコハク酸を生産する菌の特性検討や、県内企業の機能性食品を対象としたヒト臨床試験、栄養機能食品の開発支援などを行ってきました。
今年から、当センターで実施している研究の管理業務に携わり、研究のサポートを行っています。
●進路を決定したきっかけや今の研究をしようと思ったきっかけがありましたら教えてください●
数学や生物?化学が好きで、特に遺伝に興味を持っていたことから、生物を学べる大学を選びました。大学院に進学し、研究を進める中で、予想外な結果や苦労してやっと結果を出せたりすることが楽しく、さらに追及してみたいという気持ちになったことから、愕然と研究職について考えるようになりました。将来どの分野を仕事とするか決めかねていたのですが、医薬品や化粧品、食品など様々な会社の説明会に参加して、一番身近な食品に関する研究に興味を持ったことが、現在の職業に繋がっています。当初、ワインに関する知識はほとんど持っていなかったのですが、酵母の持つ力にどんどん惹かれていったことを覚えています。
●仕事と生活を両立するために実践している事、心がけている事はありますか●
「睡眠」と「一人の時間」を大事にしています。子育て中は睡眠不足になりがちで、その影響でイライラが子供たちにも伝わり、精神的に余裕がなくなっていました。そこで、子供と一緒に寝て睡眠時間を確保し、朝型生活に変えてみたところ、新聞をゆっくり読む余裕ができ、朝の一人の時間が貴重なものとなりました。また、休日も月に数回、半日のフリータイムをもらって、たまった仕事を片付けたり、買い物をしたりしてリセットしていました。現在も規則正しい生活を心がけ、良質な「睡眠」と、ウォーキングやドラマ鑑賞など「一人の時間」を持てるようにしています。
●研究者を目指す女性大学院生?学部生の皆さんへのメッセージを一言お願いします●
当センターの女性研究員の割合は、私が入所した当時の約9%から現在では25%までに増え、女性研究員も男性研究員と同様に多方面で活躍しております。 また、研究員の育児休業も私が初めて取得しましたが、その後は出産した女性研究員全員が取得しており、現在では男女ともに育児休暇を取得しやすい環境が整っています。多様な働き方が進む中、仕事、育児、介護など、それぞれの状況に応じた働き方の選択肢が広がってきていると感じています。
探求心を持ち続け、小さな発見を大切にしながら一歩一歩進んでいってください。いつか一緒に働く日が来たら、これまでの経験をもとに、皆さんをしっかりサポートできるよう準備してお待ちしています。
●研究生活において欠かせないマストアイテムがありましたら教えてください●
白衣とストップウォッチ
作業服を着ている方が多い中、学生時代から白衣を愛用していました。また、反応時間の計測のために、ストップウォッチが必需品です。
☆プロフィール(経歴)
東京理科大学卒→東京理科大学大学院修了→秋田県総合食品研究所(現職)→結婚、2児の出産を経て、社会人の娘と夫の3人暮らし(息子は県外の大学生)
秋田県総合食品研究センター
過去のロールモデル紹介はこちら
2025.3掲載