2023.12
求めよ、さらば与えられん
- 内間 優子(うちま ゆうこ)
- 秋田工業高等専門学校 創造システム工学科 共通教育系
- 講師
研究内容を教えてください
英語のアウトプットであるスピーキングやライティングを授業で導入できる活動や誰にでも分かりやすい評価方法(ルーブリック)を研究しています。今日のグローバル社会において、「英語でコミュニケーションをとる」重要性は一目瞭然ですが、日本人にとって英語を話すことは特にハードルが高く不安が原因で学習意欲を下げてしまいます。もっと学生が自信を持って楽しく英語を使えるようになるには、普段から授業の中で、英会話やプレゼンテーションなど英語を話すアウトプットの機会を増やし、練習を重ね、評価やフィードバックをしていくことが重要と考えています。「英語が楽しい!」と学生が感じ、英語に対する学習意欲を高めるような活動を開発することに力を注いでいます。
進路を決定したきっかけや今の研究をしようと思った
きっかけがありましたら教えてください
正直なところ、大学生時代は私が英語を教える仕事に就くなんて想像もしていませんでした。そんな私が初めて英語を教え始めたのは、カルチャースクールで社会人一般向けに英会話のクラスを知人から依頼されたことがきっかけでした。担当した生徒の年齢層は20代から80代と幅広く、英語を学ぶ目的は様々でした。教育学部専攻ではなかったので、授業は自身の言語習得に基づいて試行錯誤しながら活動内容を考えていたのですが、目を輝かせて楽しく英語を学んでいる生徒たちの学習意欲から毎回私がパワーをもらい、もっと英語を教える専門性を高めたいと思ったことがきっかけで英語教授法が学べる大学院へ進学しました。29歳で教育実習を行い、生徒には「先生、遅咲きですね」と言われましたが、人生は毎日が「学び」の連続で、積極的に目標に向かって努力することで思い描いていた道が開けるのだと実感しています。
仕事と生活を両立するために実践している事、心がけている事はありますか
どんな仕事においても責任が伴います。特に、教育に携わる場合、毎日学生と接する仕事なので、コミュニケーション能力をフル回転させ学生と向き合い、学生の学力向上のために授業準備も含め惜しみなく時間をかけるのですが、一度、仕事とプライベートを区別せずに「理想の教員像」を追求し、働き詰めた結果、体調を崩してしまった経験があります。その当時を振り返ると、睡眠不足、不規則な食事時間、バランスの悪い食事などより、身体は怠くマイナス思考になり、頭に靄がかかっているようで判断力に欠け、全てにおいて負のループ生活でした。この経験から得た教訓は『健康な身体と心が1番の資本』ということです。今では、十分な睡眠と口にする食事のバランスを心がけ、身体のメンテナンスや自分の好きなことや興味あることに挑戦しプライベートな時間を充実させています。「心のゆとり」が仕事の効率を高め、良好な人間関係の構築のカギです。
研究者を目指す女性大学院生?学部生の皆さんへメッセージを一言お願いします
20年前、オスロ大学へ留学していた頃にフランスやスペイン出身の友達と「平等とは?」という話題で、「日本人はなぜそんなに「男」「女」の区別が教育環境や職場でもされているのか、社会的に定着している固定概念を根本的に変化させるには、とても時間がかかる。」と批判され、衝撃を受けたことを今でも鮮明に覚えています。
当時と比べ、現在の日本社会では、女性が働く機会や環境は少しずつでも大きく変化していますし、高校進学の機会でさえも限られていた私の母親世代とは比べものにならないくらいの変革です。皆さんには、今現在与えられた環境であぐらをかくのではなく、たくさんの機会に溢れ恵まれた環境を十二分に活かしてもらいたいです。「求めよさらば与えられん」という言葉があるように、主体的に行動し、求め、努力を続けることで、自身が望む成果を得ることができますので、チャンスを待つのではなく積極的にチャレンジして下さい!
●プロフィール
中学3年の頃、初めて1ヶ月の海外留学(米国アーカンソー州)へ
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高校3年の頃に1年の長期海外留学(米国オハイオ州)へ
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大学3年次に北欧ノルウェーのオスロ大学にて1年の長期海外留学へ
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国際教養大学(国際教養学部グローバルスタティーズ課程)卒
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広島大学大学院(特別支援教育学)中退
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地元沖縄県にて英文事務や社会人英会話講師として約3年勤務
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秋田県国際交流協会にて多文化共生推進員として働きながら、国際教養大学専門職大学院(英語教育実践領域)で勉学に励み卒業
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国際教養大学にて非常勤講師(英語集中課程)として2年勤務
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札幌日本大学中学校高等学校にて教諭として8年勤務
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現在、秋田工業高等専門学校にて英語講師として元気に学生と共に成長中。
●マストアイテム
「サンジチャー」=沖縄方言で「3時のお茶」まったり時間として15分程度の休憩は必須です。