国際資源学部設立の背景
資源学分野には、レアメタルやレアアース、激化する開発議争、シェール革命をもたらす技術革新といった多くの課題があります。しかしその一方で、世界を舞台に活躍できる20代から30代の技術者不足という現状があり、資源系企業からは、「資源探査?開発を担う高度な技術カを持った人材?や?資源国で交渉?折衝できる人材」を求める声があがっています。こうした状況を背景にに誕生する国際資源学部では、我が国の資源学ナショナルセンターとして資源学最前線で活躍するグローバル人材を育成します。
国際情勢
資源の多くを海外に依存する日本は、資源をめぐる世界の動きに無関心ではいられません。ここ数年の間にも、今後の資源?エネルギー調達に影響を及ぼす大きな動きが起こっています。
- アラブの春
エネルギー資源の一大供給地である中東エリアに広がった「アラブの春」。政情の流動化が続くいま、この地域の宗教、民族、経済、文化等へのより深い理解が求められています。
- シェール革命
シェール(石油の元となる石)から直接石油を採ろうとする技術がアメリ力を中心に広がり、新たな石油市場の誕生が期待されています。
国内情勢
エネルギー自給率4%という数値が示すように、日本は資源のほとんどを海外からの輸入に頼っています。持続的な経済発展にとって、資源の安定的な確保は死活的ともいえる課題です。
- エネルギー構造の見直し
東日本大震災とそれに続く福島第一原子力発電所での事故により、エネルギー構造の見直しを求める機運も大きな広がりを見せています。
- メタンハイドレート
“燃える氷”とも呼ばれるメタンハイドレートが日本近海に大量に存在するとがわかり、2013年3月には、世界で初めて海底のメタンハイドレートからメタンガスを生産することに成功。将来の天然ガス資源として期待されています。
企業の課題
石油分野で資源開発にあたる人材が世界的に不足しているといわれるように、資源?エネルギー系企業の多くが、グローバルに活躍できるタフな人材を必要としています。
- 資源学を学んだ学生の減少
1990年代以降大学の資源系学科の統廃合が進み、 資源学を体系的に学べる場が激減しました。その結果資源学を専門的に学んだ学生も減少しています。
- 資源開発人材の需要増加
世界的な資源の消費拡大により、資源開発人材への 需要が増加しています。人材獲得競争は既に始まっており、一部では賃金の高騰などの影響が出ています。