【教員活動】男女共同参画についての講演
2025年02月27日
広報担当 和泉 浩
2月15日と2月16日に、にかほ市と大潟村で男女共同参画についての講座?講演があり、話しをしてきました。にかほ市はZoomだったため、「話しをしてきた」というより、大学の研究室で話したのですが、大潟村は「ふれあい健康館」というところに行ってきました。大潟村は久しぶりに行きましたが、景色が素晴らしかったです。「広さ」「広大さ」の感覚が圧倒的で、橋を渡って大潟村に入っていく感じも期待感が高まりました。大潟村の計画の表紙などにも橋のイラストが使われていますが、橋にはいろいろな意味やイメージがあります。みなさんは、橋というと何が思い浮かびますか?(ジンメルという社会学者が書いた「橋と扉」というタイトルの素敵なエッセイがあります)。そういえば、教育文化学部の学部長は大きな橋の大橋先生で、まさに名前のとおり、さまざまなところを橋渡ししてくれています。
「ふれあい健康館」は「もみ殻バイオバスボイラー」で温めているとのことで、とても暖かいどころか、暑いくらいで、講演のとき少し窓を開けていました。以下の大潟村の広報に「バイオマスボイラー」の説明があるので、関心のある方は見てみてください。
「https://www.vill.ogata.akita.jp/uploads/public/archive_0000004139_00/%E4%BB%A4%E5%92%8C6%E5%B9%B4%E5%BA%A6/2405.pdf」
いろいろな市町村の広報は、そのまちのことについてさまざまなことを知ることができるので(議会だよりとともに)、学生たちにも見ることを勧めています。広報は市町村のホームページでも見ることができます(議会だよりも議会のサイトで見ることができます)。住んでいるところ以外のまちのものを見てもおもしろいと思います。
同じようなテーマでの講座だと、両方とも同じ話をして手抜きをしたのではないかと思われる方もいるかもしれませんが、にかほ市は仁賀保公民館での一般の方のための講座だったため、身近な話を中心に、大潟村は議員や役場の方も参加してくれると聞いていたので、法律など制度面の話もしました。学部の広報の説明でもそうなのですが、準備していると話したいことがどんどん出てきてしまうため、いつも内容を詰め込みすぎてしまいます。
にかほ市は、参加してくれた方たちへのアンケート結果をまとめて送ってくれたのですが、参加してくれた方たちがいろいろと気づき、見直す機会になったようです。大潟村でもいろいろな質問もあり、終わってからも聞きにきてくれる方もいて、私もあらためて考える機会になりました。男女共同参画、秋田は進んでいないのですが、難しいです。大学もまだまだ進められていません。何が難しいか? いろいろありますが、そのひとつが、男性中心でいろいろなしくみや関係が出来上がってしまっているため、特定の部分だけの対処ではなかなかうまくいかないというところにあります。それでは、どうするか? どうしたらいいと思いますか? 無理だろうと、ここであきらめると、何も変わらなくなってしまいます。
ところで、秋田の魅力のひとつに自然がありますが、大潟村の景色は「自然」の景色でしょうか? 「広さ」は、なぜ特別な感覚をもたらすのでしょう?(逆に「狭さ」もですが) 日常のいろいろなところに、考えてみるとおもしろいことがいっぱいあります。大学も学問も、そうしたことを真面目に(楽しみながら)考えたりもしていると思うと、けっこう身近に感じませんか?
【ゼミ活動】卒業研究発表会
2025年02月07日
広報担当 和泉 浩
教育文化学部では1月下旬が卒論の締切で、1月末から2月はじめに卒論の発表会?報告会などが各コースやゼミで行われています。私が指導している社会学のゼミでも2月6日(木)の午前と午後に卒業研究の発表会を行いました。前日からの悪天候のため(今期最強の寒波のようですが)、当日大学に来ることができなかった4年生1人はZoomでの発表及び参加になりました。コロナ禍以降Zoomがよく使われるようになりましたが、こうしたとき、Zoomはとても便利です。最後の写真(ゼミの3年生と4年生)でタブレットのなかにいるのが、当日遠隔で参加した4年生です。
広告、ボーカロイド、ほめ言葉、ヤングケアラー、消滅可能性自治体といった、社会学ならではの、と言ってもいいような多彩なテーマの卒業研究で、指導していてもですが、何度も聞いて見てきた内容であっても、当日の発表を改めて聞くと、それぞれの研究がとてもおもしろく感じられました。いろいろなことを考えるうえでの視点のよさが教育文化学部の学生たちの強みのひとつではないかと思っています。ゼミの4年生、がんばっていい卒論を完成させたと思います。きっと大学での思い出のひとつになるはずです。
それにしても、4年間での学生たちの成長を感じます。学生たちにどれくらい自覚があるかわかりませんが、知識はもちろん、1年生のときの文章や議論展開と格段に差があります。そうでないと大学で教育を受けた意味がないかもしれませんが。
そういえば、『学部案内』での地域文化学科の写真、フィールドワークの写真が多く、学生たちから実際は講義も多いので、講義の写真もあるといいのでは?という提案がありまた。これも授業や分野によってかなり異なりますが、講義や演習、この写真のような感じです。講義だと、もっと受講者が多いこともあります。授業の資料も、むかしは紙で配布していましたが、今はネットに掲載したものを見てもらうことがほとんどになりました(紙の消費が著しく減り、ほとんど買わなくなりました)。この日の発表会でも発表資料を学生たちがそれぞれネットに掲載したものを見てもらったため、パソコンを開いて発表を聞いています。
来週は3年生が卒業研究構想を発表します。後期のはじまりの10月にも発表してもらったのですが、後期の学修成果をふまえ、4年生での卒業研究につなげる発表です。
【教員著書】『秋田を学ぶ』二冊組:秋田県立図書館で展示中です
2025年01月27日
地域文化学科 国際文化コース 佐藤 猛
昨年、本ブログの著書紹介でも取り上げていただいた『秋田を学ぶ』〔自然と社会〕〔文化と歴史〕(秋田文化出版、2024年11月刊行)が現在、秋田県立図書館閲覧室の郷土資料「おすすめ本コーナー」において展示中です。
展示期間は3/4までで閲覧室の入口に置いていただいております。
同図書館は1/29までシステム入れ替え等により閉館中ですが、1/30から再開するとのことです。
是非、足を運んでいただけますと幸いです。
【写真①②】
①は秋田県立図書館の図書資料チームの職員さんの許諾を得て、展示の一部を撮影、掲載させていただきました。
②は同チームの郷土資料担当の方によりご作成いただきました。本書の魅力を明快に伝えてくださっています。データとともに掲載の許諾を頂戴しておりますので、皆さんにもお届けします。
秋田県立図書館の図書資料チームの皆様には、この場をお借りして厚く御礼を申し上げます。
今年もよろしくお願いいたします
2025年01月15日
広報担当 和泉 浩
みなさん、今年もよろしくお願いいたします。
年末年始の休みが終わり、1月9日(木)から大学の授業が再開しました。1月24日が教育文化学部の卒業論文の締切のため、この時期は毎年4年生がとてもたいへんです。締切近くになると、かなり睡眠時間が短くなる(あるいは徹夜の)学生たちもいるのではないかと思います。この時期は夜にコンビニで買い物をして大学に戻ってきている学生たちの姿をいつもよりも多く見かけます。毎年4年生たちは、「もう少しはやく取り組んでおけばよかった!」ということを下の学年の学生たちにメッセージとして伝えたりもしているのですが、なかなかはやく取り組むのが難しいようです。
睡眠といえば、教育文化学部には睡眠についての研究をしている臨床心理学の先生もいます(綾部直子先生)。睡眠については厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023(https://www.mhlw.go.jp/content/001305530.pdf)」もぜひ見てみてください。
3年生も、専門に学んでいることやゼミによっても異なるのですが、私のゼミの3年生たちは、授業やそれぞれの研究の他にもゼミで取り組んでいる活動での分析や報告書の作成も複数!あって、この時期はかなりきついのではないかと思います。3年生は授業やゼミなど以外にも、実習、インターンシップ、公務員試験の勉強、就活などもあります。就活も試験の時期もはやまっているため、授業やゼミの活動などとも重なってしまうことがあり、教員としても気をつかいますが、学生たちにはせっかく大学に入学して学んでいるため、できるだけしっかりとした専門の知識と方法などを学んで身につけて欲しいと思っています。
ところで、みなさんは今年、どんなことをやりたいですか? 私はやりたいことがたくさんあります。年末年始にゆっくり休んだせいか、やってみたいこと満載です!
何でもいいので、今わからないこと、できないことが少しでもわかって、できるようになって来年の元旦を迎え、「1年前の自分よりもできる自分」になってもらえるといいのではないかと思います。意識しなくても1年間で何かできるようになっていたり、わかるようになっていると思いますので、意識の向け方しだいかもしれませんが、少し意識してみてもいいと思います。
もうすぐ共通テストです。受験生のみなさんは(そしてご家族も)心身ともにとてもたいへんですが、できるだけ睡眠時間を確保して、健康に気をつけて、みなさん、いい1年にしていきましょう!
【授業】地域文化学科の特定地域研究ゼミ
2024年12月26日
広報担当 和泉 浩
11月28日と12月5日に2024年度の「特定地域研究ゼミ」の成果報告会が開催されました。特定地域研究ゼミは地域文化学科の「コアカリキュラム」の1つで、主に3年次の学生が受講する授業です(「選択必修」の授業で、現在のカリキュラムでは3つある授業のうちのいずれか1つを必ず受講)。毎年度、テーマが異なりますが、教員の指導のもとで学生たちがさまざまな研究に取り組んでいます。
タイトルそのままではありませんが、今年度は以下のようなテーマについて研究に取り組んだ学生たちの報告がありました。
〇秋田に関する研究:能代市の観光まちづくり、湯沢市の自然環境保全、秋田駅周辺の再開発、新スタジアムの活用、小坂町の環境、秋田市東部のまちづくり、下北手での世代間交流イベント、ブラックベリーの活用、秋田市のクマ被害とGISを使った対策、秋田の「お雇いドイツ人」、『蟹工船』からみる秋田?函館?カムチャッカ
〇県外?海外に関する研究:網走の写真地誌、中国の少子化、20世紀初頭のジャワ島でのアヘン問題、システィーナ礼拝堂の天井画、ブルックリンのジェントリフィケーション、パリの多様なフランス人、『パレードへようこそ』における社会的弱者
地域文化学科では、人文科学、社会科学、自然科学などさまざまな分野について学ぶことができますが、そうした学問分野の多様性を反映した多様な研究を学生たちも行っています。卒業研究のゼミとは違う分野の研究に取り組む学生たちもおり、そうした学生たちは複数の学問の方法について学ぶことのできる機会、ゼミと同じ分野の研究に取り組む学生たちは専門の知識や方法をより深めることのできる機会になっていると思います。
写真は学生の撮影許可をもらいやすかったので、私が指導した学生たちの発表の様子です。
私が担当している授業で、学生から「地域文化学科はフィールドワークや企業連携がある」と言いながら、「高校生にとってその解像度はあまり高くない……自分も高校生のとき授業名は知っていたが、どんなことをしているのかわからなかった……実際に入学し体験してみて、想像以上に充実した学習だと感じたし、1年生のうちから体験ができるのは非常に良いカリキュラムだと思いました。もう少し推してみても良いと思います!」という意見があったので、このブログでも地域文化学科の地域と連携した活動について紹介していくようにしたいと思います(掲載に合わせて学生の文章を少し変えたところがあります)。
学生たち、教員が気づかない、いい意見をいろいろと出してくれます。授業もとても熱心に受けてくれていて、2,000字以上としている課題に、たくさん調べて1万字以上も書いてくれる学生がいたり、こうした学生たちと学習環境が教育文化学部の魅力だと授業をしていて感じます。そういえば、オンライン学部説明会で教育文化学部の強みを聞かれたときに「きめ細やかな教育!」と回答したのですが、「学生たち!」と言った方がよかったかもしれません。
著書紹介(教育文化学部 広報委員会)
2024年12月25日
本学部教員の著書を紹介します。
編者:佐藤 猛(地域文化学科国際文化講座准教授)
林 武司(地域文化学科地域社会?心理実践講座教授)
臼木智昭(地域文化学科地域社会?心理実践講座教授)
荒井壮一(東北福祉大学准教授)
大橋純一(地域文化学科国際文化講座教授)
(著者は27名)
書名:『秋田を学ぶ 自然と社会』『秋田を学ぶ 文化と歴史』
(秋田文化出版、2024年11月20日発行、それぞれ税込1,980円)
本学部で地域創生を担う人材の育成を目指す「地域文化学科」の1年次必修科目である「秋田学基礎」と「地域学基礎」の授業内容を書籍化した。秋田の自然と社会のあり様を俯瞰しつつ、その文化と歴史の深みを論じることで、現在の秋田の魅力とともに秋田の将来を考える材料を提供する。
【目次】「自然と社会」編
はしがき―編者―
第1章 秋田の自然環境―社会基盤?資源としての自然―林武司
コラム①あきたの食素材を活用した地域おこし活動(池本敦)
第2章 秋田の植生―植物から見た自然―成田憲二
コラム②大仙市の健幸まちづくりプロジェクト(西川竜二)
第3章 秋田の災害―明治以降の地震災害史探訪―水田敏彦
コラム③高齢化と地域コミュニティ(石沢真貴)
第4章 秋田の地理―人口減少は問題か―篠原秀一
コラム④味噌醸造元から食産業の戦略を学ぶ(林良雄)
第5章 秋田の経済―地域経済統計から見るマクロ経済環境―荒井壮一
コラム⑤能代での調査にもとづく市民協働の提案(和泉浩)
第6章 秋田の観光―観光に関するデータ分析―高橋環太郎
コラム⑥司法過疎と民事裁判の IT化?法律相談へのアクセス(棟久敬)
第7章 秋田の産業―100 年の歩みと成長産業―臼木智昭
コラム⑦大学生による日本酒造りと地域の魅力発信(益満環)
あとがき(臼木智昭)
【目次】「文化と歴史」編
はしがき―編者―
第1章 秋田の言葉―秋田弁の多様な特質とその現在地―大橋純一
コラム①秋田の映画文化を大学で学ぶ(長谷川章)
第2章 秋田の歴史―大名と家臣の日記?記録―清水翔太郎
コラム②文化的公共施設としての映画館(中尾信一)
第3章 秋田の美術―西洋絵画の源流から観る―佐々木千佳
コラム③映画鑑賞環境の変化(辻野稔哉)
第4章 秋田の近代化―イザベラ?バードの異文化体験―佐藤猛?内田昌功
コラム④「あきたの食」から「ヨーロッパ文化の新発見」まで(石井照久)
第5章 秋田の伝説―田村麻呂伝説の変貌―志立正知
コラム⑤ありふれた日常の風景から探る地域らしさ(羽田朝子)
第6章 秋田と現代世界-県北の旧鉱山地域からみるグローバル化―髙村竜平
コラム⑥小坂町「康楽館」における市民の演劇活動(大西洋一)
あとがき(大橋純一)