高大接続アカデミック授業(数学)を行いました【秋田県立秋田高等学校】R6.3.14

(高校での授業風景1)

 

(高校での授業風景2)

 

 秋田県立秋田高等学校において,理数科2年生33名を対象に,高大接続アカデミック授業を行いました。
 これは高大接続教育部門数学WGの活動の一環として実施したもので,事前に高校教員と大学教員が協働で題材選定や教材開発を行い,当日は本学の小林真人准教授(理工学研究科)が授業を担当しました。

 今回の授業は「ICTツールを使って円を描き,曲線の曲がり方を観察しよう」を
テーマに「手を動かして,自らが納得する方法で観察を行うこと」をねらいとして行われました。
 はじめに,凸多角形の観察を行い,「曲がり方」を測るには「辺の角度」だけでは不十分であり,「辺の長さ」も併せて考えなければいけないことを学習しました。その後,小林先生から「外接円の大きさ」で曲がり方を測れることが紹介されました。
 次に,GeoGebra上で凸多角形と外接円を描き,外接円の半径に関する性質?定理を探す活動を行いました。そして,凸4角形の外接円の半径の増減と極値に関する定理が提示され,その証明と考察を行いました。
授業の後半では,この定理は実は「4角形以外の多角形でも成り立ち,さらに滑らかな曲線に関しても成り立つこと」が説明され,「4頂点定理」という名前がついていることを教わりました。
 最後に,小林先生から生徒に向けて,「この定理は現在でも盛んに研究?再発見されていること」が伝えられ,「自分が納得する方法で物事を考え,新しい視点を獲得してほしい」という言葉が贈られました。

授業後のアンケートを紹介します。(抜粋)
?GeoGebraを使って図を描くことがあまりなかったので楽しかった。
?抽象的で難しいテーマだったが,高校レベルの手法で分かりやすい説明だった。
?実験しやすい題材で考察をすることができたのがよかった。
?発端はとても小さな疑問でしたが,高校での極大極小の考えを用いて,何となくですが定理を理解できました。まだまだ解像度は低い状態ですが,これまでの学習と単純な図形の結びつき,奥深さを感じることができました。ありがとうございました。