高大接続アカデミック授業(数学)を行いました。【秋田県立能代高等学校】R7.3.14
秋田県立能代高等学校において,理数科2年生25名を対象に,高大接続アカデミック授業を行いました。
これは高大接続教育部門数学WGの活動の一環として実施したもので,事前に高校教員と大学教員が協働で題材選定や教材開発を行い,当日は本学の小林真人准教授(理工学研究科)が授業を担当しました。
今回の授業は「ICTツールを使って円を描き,曲線の曲がり方を観察しよう」をテーマに「手を動かして,自らが納得する方法で観察を行うこと」をねらいとして行われました。
はじめに,曲線の「曲がり方」について観察を行い,曲線を「凸多角形」で近似しました。曲がり方を測るためには,凸多角形の「角の数」と「辺の数」を合わせて考える必要があり,凸多角形の連続した3頂点で作られる「外接円」で曲がり方を測れることが紹介されました。
次に,GeoGebra上で凸多角形と外接円を描き,曲がり方の大小(極値)がそれぞれ1つだけになる曲線を探す活動が行われました。そして,良い近似の方法や凸多角形の外接円の半径の増減と極値に関する定理の観察を行いました。
授業の後半では,今回の観察結果は「他の多角形や滑らかな曲線に関しても成り立つこと」が説明され,「4頂点定理」という名前がついていることが紹介されました。
最後に,この定理は近年発見され,現在も盛んに研究?再発見されている定理であることが紹介され,小林先生は生徒に向けて,「数学は未解明なことが多く,なぜだろうを突き詰める過程を経験し,社会で活用できるアイデアを獲得してほしい」という言葉が贈られました。
授業後のアンケートを紹介します。(抜粋)
?GeoGebraで視覚的に理解できてとても良かった。
?自分で円などを作ってみて,数学が理科のように自分たちで確かめて結論を出す形
でおもしろかった。
?実際に図形を利用し,試してみるのが面白かった。極大,極小の概念は関数特有のものだと考えたが,図形にも活用できるのが意外だった。
?体験型の授業で,自分で考えて作図して導いていくのが良かった。