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金鲨银鲨_森林舞会游戏-下载|官网研究者 高橋亮平教授

Lab Interview

長い歴史の中で培った高い技術で資源探査?開発を追求する

歴史ある金鲨银鲨_森林舞会游戏-下载|官网の資源学研究

 高橋教授は金属鉱床学を専門として国内外の金属鉱床の形成条件やプロセスを明らかにする研究を行っています。金鲨银鲨_森林舞会游戏-下载|官网は、明治43年に設立された秋田鉱山専門学校が前身であり、鉱山学部、工学資源学部と続く流れの中で、2014年に資源学の教育研究機能を強化した国際資源学部が設立されました。この背景には、秋田県にたくさんの金属資源や油田が存在することが関係しています。
 日本全体が少子化で大学の規模も縮小しつつある状況の中、国際資源学部は教員数と学生数ともに純増する形で文科省から認可されて設立されました。今でも鉱山と言えば金鲨银鲨_森林舞会游戏-下载|官网という評判は日本中に広く知られており、九州で地質調査をしているときに、近隣の住民の方に金鲨银鲨_森林舞会游戏-下载|官网ですと言うと、鉱山学部ですねといった返答が返ってくることもあります。
 秋田県の金属鉱山の生産は終了していますが、現在でも県内の製錬所は稼働しています。また近年、鉱業法が改正となり、金属価格の上昇とあわせて、日本国内の各地で新たに金属鉱床を探すための資源探査が行われています。

身の回りの金属はすべて鉱山から採掘されている

 鉱物資源は金属資源と非金属資源に大別されます。さらに、金属資源は鉄及び鉄系合金と非鉄金属の資源に分けられます。非鉄金属は鉄や鉄と同族の元素を除く金属の総称です。
 私たちの身の回りではあらゆる金属が至る所で使われており、それらの金属はすべて鉱山から採掘されたものです。金属がないと私たちの生活は成り立ちません
 鉄やアルミニウムなどは既知の鉱床の埋蔵量が多くリサイクル率も高いですが、金や銀、銅、鉛、亜鉛、そして各種のレアメタルなどは、地球上における少ない存在量に対して需要が高く、リサイクルによる供給も不十分であるため、新たな鉱床を探し続ける必要があります。
 これらの金属はハイテク機器の製造をはじめとする産業に必要であり、世界有数の工業先進国である日本はこのような元素が濃集している鉱床を探査?開発して、なるべく日本国内で金属を生産することが必要です。
 高橋教授は国内外の金属鉱床の地質、形成条件や生成プロセスを明らかにする研究を行っており、このような研究成果は鉱床探査や鉱山開発に役立てられています。

熱水活動と金属鉱床の関係

 有用鉱物が濃集した岩石を鉱石、その鉱石の集合体を鉱体といい、通常、複数の鉱体からなる地質体を鉱床といいます。
 金属鉱床は、火成作用、熱水作用、風化?堆積作用、変成作用などにより形成します。火山活動や地熱活動が活発な地域では、ベースメタルや貴金属の熱水鉱床が形成されます。
 高橋教授は、日本や東南アジアを含む環太平洋造山帯やアフリカなどの各種の熱水鉱床の研究を多く行ってきました。
 熱水鉱床の一種である浅熱水鉱床は、マグマを熱源とする熱水が地下を循環し、約1.5 kmよりも浅い深度で金?銀、銅?鉛?亜鉛を含む鉱物が集中的に沈澱することでできる鉱床です。

 秋田県仙北市にある玉川温泉は、日本一の強酸性泉というだけでなく、自噴する温泉水の湧水量は日本有数です。玉川温泉や周辺の地熱帯の深部では現在進行形で熱水鉱床が形成している可能性があります。地下深部を循環する熱水は、高い圧力のために200~300℃といった高温でも沸騰しないで液体の状態を保つことが可能であり、金属をはじめとする各種元素を多量に溶解する能力を持っています。
 現在、地熱帯の深部で形成し続けている鉱床は採掘するには深く温度が高いため、過去の地熱活動で形成した鉱床が探査や開発の対象となります。
 秋田県の北鹿地域は日本最大の鉱山地域として知られています。北鹿地域の花岡鉱山や小坂鉱山で採掘されていた黒鉱鉱床も熱水鉱床の一つで、海底火山活動に伴い深海の海底下を循環する熱水が海底面に噴出する際に閃亜鉛鉱、方鉛鉱、黄銅鉱、四面銅鉱などの硫化鉱物や貴金属を含む鉱物が大量に沈澱して出来た鉱床です。

新たな金鉱床を探査する

 日本には数多くの金鉱床がありますが、既知の鉱床の大部分は採掘が終了しています。新たに鉱床を見つけるには地表に露出していない地下深くにある鉱脈などの鉱体をどのように発見するかという点が重要です。そのために、地表調査に加え、衛星画像を用いたリモートセンシングや、ヘリコプターなどを利用する磁気探査や重力を測定する物理探査も行われます。候補地が見つかれば地下に向けて試錐(ボーリング)を行い、さらに詳細な調査が進められます。
 このような資源探査には様々な専門分野の技術者が関与しますが、高橋教授は地表の岩石や試錐コアを観察して地下に鉱床が存在する兆候を調べる研究や、最新技術を応用して効率的に鉱脈を見つけたり高品位部を予測したりする研究をしています。

 現在国内では、浅熱水金鉱床である鹿児島県の菱刈(ひしかり)鉱床、赤石(あけし)鉱床、春日(かすが)鉱床、岩戸(いわと)鉱床で鉱山開発による金の生産が行われています。菱刈鉱床は浅熱水金鉱床の中では、金の資源量や鉱石の金含有量の点で世界最大規模の鉱床です。
 今から25年前の2000年頃に金の価格は1グラムあたり約1,300円でしたが、現在はその10倍を超えて、2025年には1グラムあたり17,000円を超える高値となりました。
 金鉱床は、他の金属の鉱床と比べて、採算が取りやすいため世界中で探査が活発に行われており、現在、北海道や九州をはじめとする日本国内の各地で海外資本を含めた資源探査企業が鉱区を取得し、鉱床探査を行っています。高橋教授は菱刈鉱床を対象とする研究も行っており、北海道での金鉱床の探査プロジェクトに関わる研究も行ってきました。

クリティカルミネラルの重要性

 日本は自動車、船舶、ハイテク機器を含む家電製品などの製造を含む世界トップクラスの工業先進国であり、これは金属などの原料を安価に確保できることが基盤となっています。海外に目を向けると、他国では金属の製錬所を持たない国々が多く、あるいは1つしか保有していない国が多いですが、日本には秋田県の製錬所を含めて、各種の金属を生産できる製錬所が各地に数多く稼働しています。
 現在、日本国内では一部の金鉱山のみが稼働している状況ですが、日本の資源開発企業は、海外で鉱床調査を行い鉱山開発の権益を得て、鉱石や精鉱を日本に輸入し日本の製錬所で金属を生産しています。日本政府の組織である独立行政法人エネルギー?金属鉱物資源機構(JOGMEC)も海外で資源探査をしています。このような仕組みにより、日本は世界トップクラスの工業先進国、経済大国であり続けることが出来ています。
 現在、世界各国でカーボンニュートラル社会を実現するための取り組みが行われており、そのためには電気自動車や風力発電機の製造や将来の核融合発電に必要なクリティカルミネラル(Cu, Ni, Sb, Li, Be, B, Co, W, REE, グラファイトなど)の確保が必要です。
 高橋教授はクリティカルメタルを対象とする鉱床の探査や開発に貢献するための研究にも注力しています。また、金属鉱床学の他に資源政策や資源経済学、選鉱製錬や環境保全学などの分野の研究者と協力して一貫した資源開発の流れの中で鉱床探査や開発を行う産学官連携の研究プロジェクトにも意欲があるとのことです。

資源分野における国際協力

 金鲨银鲨_森林舞会游戏-下载|官网国際資源学部研究科は、海外から多くの留学生を迎え入れています。
 高橋教授は、文部科学省の「国費外国人留学生優先配置特別プログラム」や「次世代研究者挑戦的研究プログラム(Spring)」、JICA(国際協力機構)の「資源の絆プログラム」など制度を活用し、インドネシア、フィリピン、タイ、ウズベキスタン、ナミビア、ボツワナ、モザンビーク、ジブチなどの資源国から多くの留学生を研究室に受け入れています。
 国際資源学研究科は、ショートステイプログラムなどを通して、資源国から毎年多くの研修員を受け入れています。このような取り組みは、世界を舞台とする優れた資源学の研究活動を行うことに加えて、資源国とのネットワークを強化するという意味合いもあります。

研究室の学生の声

修士2年 竹田 藍 さん

 私が国際資源学部に入学したのは海外留学に興味があり、「国際」という言葉に惹かれたからです。3年次に1年間インドネシアに留学して火山や地熱、金属、鉱山などさまざまな勉強をしてきました。インドネシア留学では英語が通じなかったので、独学で現地の言葉を覚えました。そうした普段とは異なる環境下に置かれたとしても、さまざまな文化に触れて、適応する力も得ることができてとても充実した機会だったと思っています。
 帰国後には資源についてもっと研究したいと思うようになり、高橋先生の研究室に入りました。特に地下の熱水流体がどのように地熱資源に影響を与えるのか、あるいは熱水が金属を沈殿させていくのかを化学的に分析できる装置が高橋先生の研究室には揃っていたことも決め手となりました。
 資源にはたくさんの分野があることが興味深く、留学体験や海外の鉱床を対象とする卒業論文研究を通じて資源学の楽しさに気付き、その後はそのまま大学院に進学しました。研究室には留学生が7割ほど在籍していて、多言語が飛び交う環境で学べることは理想的な学生生活だと思っています。
 現在はインドネシアの斑岩銅鉱床を修士論文研究の対象としていて、その研究結果を鉱山会社と共有して探鉱や開発に役立てることができるといいなと思っています。
 将来は研究を活かし、資源分野で国際的に活躍できるような仕事をしたいと考えています。そのために今は基礎知識や技術をしっかりと学び、将来その知識や技術を資源開発に応用したいと考えています。

(取材:広報課)
※本記事は2024年7月に取材された内容を基に、2025年6月に加筆?修正が行われたものです

国際資源学研究科 資源地球科学専攻
教授 高橋 亮平 Ryohei Takahashi
  • 北海道大学 理学部 地球科学科 1999年3月卒業
  • 北海道大学 理学研究科 地球惑星科学専攻 修士課程 2001年3月修了
  • 北海道大学 理学研究科 地球惑星科学専攻 博士課程 2004年3月修了
  • 【取得学位】
    北海道大学 学士(理学)
    北海道大学 修士(理学)
    北海道大学 博士(理学)
  • 【所属学会?委員会等】
    資源地質学会、Society of Economic Geologists(アメリカ合衆国)、Society for Geology Applied to Mineral Deposits(チェコ共和国)、資源?素材学会、日本地球惑星科学連合
  • 金属鉱床学研究室ホームページ